アルダクトン(スピロノラクトン)

スピロノラクトンは、水分を排出させ、血圧を下げるお薬です。
浮腫や高血圧症、原発性アルドステロン症の治療に以前から使用されていた薬です。
この薬には、男性ホルモン(アンドロゲン)を受け取る部分(アンドロゲンレセプター)に競合的に結合し、アンドロゲンの働きを阻害する作用もあります。
その作用を利用し、成人女性のニキビの原因となる男性ホルモン(アンドロゲン)の働きを抑え、ニキビを改善します。

スピロノラクトン

お薬の飲み方

開始するときの症状により、1日量を決めます。

  • 100mg(朝1錠・夕1錠)
  • 150mg(朝2錠・夕1錠)
  • 200mg(朝2錠・夕2錠)

2週間後に診察をして、副作用等の有無をチェックします。
通常では、約2ヶ月は同量で服用して、症状の改善とともにお薬の量を少しずつ減らしていきます。4週間程度、新しくニキビができないことを確認できたら、1日量を200mg→150mg→100mg→50mgと、1ヶ月ごとに減量していきます。
逆に、1ヶ月経過してもよくならないときは、最大200mg(朝2錠・夕2錠)まで増量します。

※高血圧症などの治療の飲み方とは、量も内服方法も違います。
※飲み忘れた場合ですが、予定の服用時間よりもあまり時間が経過していないとき(30分~1時間程度)は、すぐに服用してください。それ以上経過した場合は1回分を抜いて、次の服用時には通常量の1回分だけを服用してください。

副作用について

スピロノラクトンは、高血圧症などの治療薬としては長期間の使用経験があり、大きな副作用は報告されていませんが、成人女性のニキビ治療での内服となると、いくつかの症状が出現することもあります。

  • 生理不順・不正性器出血
    スピロノラクトンのホルモン作用によるもので、内服量が多いと生じ易いです。必要に応じて服用を中止するか、低容量ピル等の併用、エストロゲン・プロゲステロン注射をすることもあります。

一般的な副作用としては、スピロノラクトンの利尿作用による症状(尿量の増加 頻尿 のどの渇きなど)または薬疹などがあります。
重大な副作用としては、電解質異常(倦怠感 不整脈 脱力感 吐気など)や急性腎不全(尿量減少 むくみなど)が考えられますが、健康成人女性が内服するにあたっては、頻度はかなり少ないと考えられます。
めまい・ふらつき等が現れることがありますので、そのようなときは車の運転や高所での作業、危険を伴う機械の操作等には十分注意してください。
いずれにしても、このような症状が出現したら、すぐに中止して受診してください。

スピロノラクトンが適応にならない方

  • 過去にスピロノラクトンに内服で問題があった方
  • 腎機能障害・副腎機能障害・肝機能障害・心臓疾患・電解質異常等がある
  • 下記の薬を投与されている
  • タクロリムス(商品名:プログラフ・グラセプター)
  • ミトタン(商品名:オペプリム)
  • エプレレノン(商品名:セララ)
  • 妊娠中・授乳中の方

他の医療機関でお薬を処方される場合や、薬局でお薬やサプリメントを購入されるときは、その医療機関や薬局の医師や薬剤師に、スピロノラクトンを飲んでいることをお伝えください。

料金

アルダクトンA錠(スピロノラクトン) 50mg (1錠) ¥132(税込)
採血料 ¥3,300(税込)